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別ミルメのブログ

私の美の世界。 Twitter:@another_mirume

池田亮司 supersymmetry + supercodex 山口情報芸術センター(YCAM)

今回はインスタレーションとライブ体験の報告を。

 

 

 

どちらも山口県山口市の《山口情報芸術センター(YCAM)》で催されていた《池田亮司》さんのもの。

詳細はYCAMの公式ページに。

下記リンク。

http://supersymmetry.ycam.jp/ja/

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『supersymmetry』(インスタレーション)

“スーパーシンメトリー”と題された新作インスタレーション

これはスタジオA、スタジオBと離れた2室を利用し、それぞれの部屋同士が関係し合う構成となっている。

近作である『superposition』との流れが感じられる。


Ryoji Ikeda :: superposition [updated 22 MAR 2013 ...

 

 

 

[スタジオB]

supersymmetry[experiment]

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暗室の中で3台の装置(ライトボックスと呼ばれていた)が自身の発光のみで存在を鑑賞者に報せる。

それ以外の視覚的認識は見当たらない。

機械の駆動音の低音部を拡大したような音がそれに合わせて空間に満ちる。

上面の発光部で極小の球(数ミリ大)が何百と自然に動き回っている。

奔放に運動するそれらを、スキャンする機構が側面と上方から観測している。

このプロセスで取得したデータが次に紹介するスタジオAの展示と呼応するイメージ。

 

 

 

【スタジオA】

supersymmetry[experience]

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 こちらの部屋も同様、暗室。

上記写真のように中央の通路を挟んで多数のモニターが対称性を保って整然と並んでいる。

過去作品にも見られたような、データ処理・展開中の映像に同期してパルスが瞬く。

制御室のイメージ。

スタジオBで取得したソースを分析しているような。

10分程度で1サイクルの展示。

場面によってはそれぞれ各個動いていたモニターが完全同期し、光のイメージを手前から奥へサラウンド的に音を従えて流れていく。

これが非常に美しかった。

個別の運動と全体の連動。

一斉に(何語か良く把握できなかったが)人語で室内が満ちる場面も印象的だった。

随時会期中もアップデートが行われるそうなので、日を空けて何度も通ってみたい。

 

 

 

『supercodex[live set]』(ライブ)

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 上記写真は開演前の会場の様子。

ライブ時には照明は落とされ、前面スクリーンの発光のみとなる。

客入りは会場の大きさに対してほぼ満員だった。

20時から演奏がスタートし、本編は50分ほど。

アンコール(?)的な演奏が10分ほど。

合計丁度1時間の濃密なセットだった。

タイトルでも明示されているように、今回のライブは氏の新譜『supercodex』を基にした内容。

supercodex

supercodex

 


Ryoji Ikeda - Supercodex 17 - YouTube

私は既にこちらの盤を入手し聴きこんできた。

声のサンプリングやパルスやドローンなどは抑えられ、ひたすらソリッドなビートのオンオフが終始現れ続ける。

全トラックを通してそれが貫かれるコンセプチュアルな一枚。

終盤の17トラック以降はまた極端な展開があるのだが。

 

照明が落とされるとステージ中央に氏がひとり現れ、淡々とそのままライブへ。

音楽のみならず、映像のみならず、相互が強固に同期したものだった。

音の大小に併せて、スクリーン内の抽象的な図像がリンクしてゆがんだり大きくなったり。

ステージの左右にスピーカーが配されていたのだが、画面も同じく左半分右半分にきっかりと分割されていた。

恐らく、左のスピーカーの音と画面左が呼応して、右も同じセッティングになっていたように思う。

目と耳も対称性に付き合うこととなる。

超低音はあえて左のスピーカーのみから発せられていたかも。

盤との展開の違いは全く違うというよりは、ある程度準じたアレンジだった。

トラック順に。

その分、“音そのもの”の現象性にシフトして聴きこむことが出来た。

音が本当に超ソリッドで。

柔らかい音は一切出ない。

無音の0と爆音の1だけで構成されるような。

この爆音は体験というにふさわしい。

隙間に現れる無音もより高次的な知覚となった。

空間の特性での残響なのか、エフェクトがかけられた上での残響なのかは判断できなかったが、その1が霧消してからの0へのシフトが超鮮明に感じられた。

大変素晴らしい内容だった。

客は終始棒立ちだったが、ビートによっては普通に踊れたりした(私は踊れたw)。

 

本編の50分の演奏後、アンコール的に10分ほど過去の作品からのライブ演奏が行われた。

これは思わぬ収穫だった。

個人的にアンコールの類は受けられないのかと勝手に思っていたので。

内容の同定が私の勉強不足で不確かなのだが、アルバム『dataplex』かなと。

他の人は別の作品を挙げていたのでそちらが正しいかもしれない。


Ryoji Ikeda - Data.Matrix - Live at Sonár 2010 - YouTube

 

 

 

ここまで書いてきたように、インスタレーションもライブも実に大満足な内容だった。

美術としても音楽としても本命な作家の制作をしっかり味わうことが出来た。

ここ最近で特に重要な経験となった。