別ミルメ的2012年ベストディスク10選。
2回更新に分けて紹介。
今回分は後半5作品。
私の好む音楽傾向の開示も兼ねて、レコメンドも兼ねてつらつらと勝手に発表。
【6】
『CM4』

- アーティスト: CORNELIUS
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2012/09/05
- メディア: CD
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《コーネリアス》によるミックス作品集の第4弾。
アルバムタイトルそのままで。
単純に豪華なオムニバス盤としても楽しめる。
通底される色付けとしてのコーネリアス感でグッと引き締まる。
“コーネリアス感”とは何かは近年の作曲傾向を聴いていただけたら。
程よく間引かれた、清潔な音の配置。
クールなポップさは確かに《相対性理論》との相性抜群。
【7】
『THREE』

- アーティスト: 坂本龍一
- 出版社/メーカー: commmons
- 発売日: 2012/10/17
- メディア: CD
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色々な編成、作風で活動なさっている《坂本龍一》さんですが、今回の盤はミニマムなアコースティック・ピアノ・アルバム。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロの編成で。
選曲もかなりメジャーな人気曲が多く、そういう意味では聴きやすく万人受けしやすいかなと。
3者、3音のウェイトも、坂本さんのピアノ押しばかりでなく、しっかりと均衡がスリリングに保たれているのが素晴らしい。
録音も良いので、大音量での聴取にも映える。
余談だが、このアルバムのリリースライブツアーも大変良かった。
コンサートホールでエレガントに。
【8】
空間現代
『空間現代2』

- アーティスト: 空間現代
- 出版社/メーカー: Headz
- 発売日: 2012/11/14
- メディア: CD
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ギター、ベース、ドラムという編成でのバンドなので、ロックバンドと言いたいところだが、恐らくそのカテゴライズでは違うような気がする。
人力コラージュという奇妙な唯一性ある位置にある稀有なバンドかなと。
いわゆる各音がフレーズを出し合ってグルーヴを生成するのとはプロセスが大変異なっている。
フレーズ未満とも取れるような、音のプリミティブなエレメントに極度にズームアップされる。
ここまで素材を素材のまま大胆に直視出来るのは新体験だった……!
過去作品『空間現代』と比べるとボーカルが減り、よりミニマルで太く。
無骨さから獲得できるエレガント。
“無音”という緊張感もこのバンドの重要な欠かせないもの。
傑作。
【9】
エリックエム
『transfall』

- アーティスト: Erikm
- 出版社/メーカー: Room40
- 発売日: 2012/10/09
- メディア: CD
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ほとんど予備知識もなくいきなり買ってみた1枚。
いやしかしこれが滑り込みで2012年の名盤として引っ掛かり。
サウンドの生成の詳細もあまり詳しく語れない情報量なので申し訳ないが、とかくコラージュ的。
東洋寄りの現代音楽に似たテクスチャを感得出来る。
直観的な音響的心地よさ、湿度。
爆音で聴くアンビエント。(矛盾上等)
【10】
『Zymolytic Human ~発酵人間~』

- アーティスト: 志人
- 出版社/メーカー: Grannma Music/Pヴァイン・レコード
- 発売日: 2012/03/14
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過去作品は確かにヒップホップとしての範疇に置かれていたのだが、今作はそのカテゴライズには収まらない。
ダンスミュージック的側面を期待して、ヒップホップを期待して聴くとビックリすると思う。
ターンテーブルのスクラッチ等の既存のニュアンスは少し散りばめられているが、原初のナチュラルな素朴な打音や、はたまたスペーシーなノンビート・アンビエントがトラックとして進行してゆく。
ラップも、韻踏みやビートメイクはあまりなく、むしろポエトリーリーディングが主体に。
リリックも自己の深部への言及。
反転してダイナミックな視点からの地球、宇宙への言及。
スピリチュアルと言ってしまっても怒られないかな。
リラクゼーションや知覚の拡大をもたらす。
壮大さ、スケールの大きさにただただ驚愕。
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……と、ここまでが私の2012年のベストディスク10選。
意識していなかったけど、なかなかジャンルがバラけていて自分でも面白かった。
01. エレクトロニカ
02. ジャズ
03. ピアノ
04. ヒップホップ
05. ガーリーポップ
06. ポップ
07. クラシック
08. ロック
09. 現代音楽
10. ポエトリーリーディング
……みたいな。
また来年もやってみます。