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メディアアートの世界 実験映像 1960-2007

今回は美術書籍のレコメンド。

 

 

 

メディアアートの世界 実験映像 1960-2007

メディアアートの世界―実験映像1960‐2007

メディアアートの世界―実験映像1960‐2007

内容はタイトルの示す通り、メディア・アートと大きく括られる映像たちを紹介したもの。

分類としては、映画、アニメーション、コンピューター・グラフィックス、サウンド・アート、ビデオ・アートなどなど。

一人の著者が総てを綴ったものではなく、上記各分野の研究者や制作者がそれぞれ分担してしるしたものをオムニバス的にパッケージ化している。

その分、当事者の漏れない深い内容で具体的にどの章も展開される。

映像による芸術も他の芸術や創作と変わらず、テクノロジーの発展や変化により大きくその容貌やフォーマットが揺らいでいる。

複雑な記録媒体に依存するものなのでそれがより顕著に表れているかなと改めて。

技術的制約の中で試行錯誤し、フルに機材の性能を利用するのはどの時代も同じ。

極めて情報量の多い時間芸術ならではの多面的な訴えを最大利用。

視覚のみならず、聴覚へのアタックも実に強い。

サウンド・アート的な側面として迫った章などは特に個人的には興味深く読めた。

文章内で触れられている映像作品の写真が幾つか載っているが、欲を言えば付録的にDVD等で実際の映像を観ながら相互補完出来たらより良かったかもw

 

 

 

2007年までの区切りまで迫っているが、2008年以降も機材などのハイ・スペック化は止まらず進化しているので今日の最新の映像事情も続編として迫っていくような書籍が出るとしたらまた読んでみたい。