別ミルメのブログ

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別ミルメ的2013年ベストディスク10選(前半)

久々のブログ更新。

今回は音楽。

2013年にリリースされた作品から特に好きだった10作品を振り返りつつ勝手にレコメンド。

紹介する順番はランキング的な意味は無く。

音楽の趣味がいよいよ狭くなり、それが確定した年だった。

個人的な音楽史としてひとつのピリオドがあった……。

来年以降どういった音楽を好むようになるかは勿論謎だけど、ここから大きくずれることはそうなさそうだ。

先ずは5作品紹介。

 

 

 

【1】

序破急

ギャスパー・クラウス

[CD] ギャスパー・クラウス「序破急」(日本盤オリジナルジャケット仕様)

[CD] ギャスパー・クラウス「序破急」(日本盤オリジナルジャケット仕様)

 

 
ギャスパー・クラウス『序破急』予告編 (Jo Ha Kyū by Gaspar Claus Trailer ...

チェロ奏者《ギャスパー・クラウス》の作品。

名義上はそうなっているが、実際は多数の参加アーティストとの合作。

“参加ミュージシャン

ギャスパー・クラウス - cello

石橋英子 - voice,piano,drums

梅津和時 - soprano saxophone

大友良英 - turntables

坂本弘道 - cello,electronics

坂本龍一 - prepared piano

Sachiko M - sine waves

友川カズキ - voice,guitar

西原鶴真 - voice,satsuma biwa

灰野敬二 - voice

レナード衛藤 - taiko”

……とある。

メイントラックはタイトル通り、“序破急”という構成で30数分に亘って上記の奏者たちが展開を進めてゆく。

実際、ストーリーを強く感じられる構成で、適正な時間が美しく描かれていたように思う。

個人的には序を彩る、《Sachiko M》さんの静かでありながら絶対的な存在感を放つサイン波が一番素晴らしいかなと。

まあ、ひとりひとりの素晴らしさを語っているとキリがないのでこの辺で。

日本の美が転写された名盤。

下記の公式ページで詳細がチェックでき、ライブ音源(必聴)も聴くことが出来るので気になった方は是非アクセスを。

http://johakyu.com/

 

 

 

【2】

『R Plus Seven』

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー

R Plus Seven [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 6面デジパック / 国内盤 ] (BRC394)

R Plus Seven [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 6面デジパック / 国内盤 ] (BRC394)

 

 
Oneohtrix Point Never - Problem Areas - YouTube

不穏さと歪んだ神聖さに安静をおぼえてしまう私にとってはこの上ない傑作に映る。

静かに空間を満たすシンセの幕。

《ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー》はこの作品以前のものも好きで音源も集めているのだが、それらよりもこの最新作はより精緻にテクスチャーの選択と配置が行われているように感じる。

大振りなネタが控えられている分恐ろしい。

静けさが安全で、轟音が危険というものでは無いなと。

美しくて静かなものの恐怖。

変わらず死生、メメントモリがある。

 

 

 

【3】

『RV8』

AOKI takamasa(青木孝允)

RV8

RV8

 

 
AOKI takamasa // rhythm variation 06 - YouTube

ダンストラックそのものの、骨子。

その骨子に鮮明に鋭くフォーカスされた作品。

これまでの《AOKI takamasa》さんの活動も大きなウェイトはそこで、それ以外の装飾的なサウンドが極力排除されていたが、最新作は一番顕著に見てとれる。

チルアウト的にアルバムに配置されてきたメロウなボーカルものも姿を現さず、ひたすら無骨に、反転して、同化していくリズムそのもの。

ミニマリズムは操作次第で豪奢なエレガンスに接続される。

余談だが、AOKIさんは音源のみならず、ライブで大音量で聴いてこそな面も多分にあるので、やはり現場で踊りながら聴くのがオススメかなと。

この盤のリリース前にライブに行ったが、ソリッドそのものな音が空間に提示されていた。

 

 

 

【4】

『supercodex』

池田亮司

supercodex

supercodex

 

 
Ryoji Ikeda - Supercodex 19 - YouTube

電子音楽の起点と終点、つまり起源と今を含んだもっと先の音を鳴らす《池田亮司》さんの最新作。

強烈なビジュアル的訴求も含めての氏の作品があるが、オーディオのみを触媒とした本作だけでもそれは感じ取れる。

全20トラック収録なのだが、個人的には1~16トラック目までは、これまでの作品の延長線上らしい作風だなと思い聴いていたが、17と19トラック目で完全に吹き飛んでしまった……!

繊細に瞬くパルスでもなく、鎮静あるドローンでもなく、過剰に強固な電子音の塊そのもの。

意志を持った断末魔かと思った……。

可能な限りの大音量で対峙すると、怖さとカッコ良さで震えてしまった。

空間へのアプローチは、空間を裂くこと。

 

 

 

【5】

なんだこれくしょん

きゃりーぱみゅぱみゅ

 
きゃりーぱみゅぱみゅ - インベーダーインベーダー,kyary pamyu pamyu - Invader Invader ...

J-POP的ウイルスは美しい。

テレビの音楽番組、テレビCM、店内BGMで存在を蔓延させ、CDをレンタルショップで買うというJ-POP的耳への経路。

そして思い出したようにリリックのサビ部分を口ずさむ。

その口ずさみを他者が聴いて以下ループ。

色恋沙汰ではなく、トピックが“忍者”、“インベーダー”、“ファッション”なる意図された《中田ヤスタカ》さんのねじれた()プロデュース姿勢が最高。

 

 

 

後半5作品へ続く。

http://another-mirume.hatenablog.com/entry/2013/12/16/063854