別ミルメ的2013年ベストディスク10選の後半。
残り5作品を紹介。
前半5作品は下記。
http://another-mirume.hatenablog.com/entry/2013/12/14/065205
【6】
『VIRGINS』
ティム・ヘッカー
Tim Hecker - Virgins full album HD - YouTube
ティム・ヘッカー特有の轟音の磁場。
それを踏襲しつつポスクラ的な弦楽器の繊細な鳴りを付加する。
下手すれば轟音の前に立ち消えてしまいそうだが、寧ろ両者のコントラストが精細に浮かび上がる。
新しいコンポジション。
自身の過去の創作傾向からの否定でもなく、そのまま変わりなく引き継ぐだけでもなく、原形・作風・アイデンティティーを継承しつつ新しい変化も与えることに成功している。
他アーティストの、ポスクラ的な作品の線が細い色味が個人的に得意ではないので、当盤はそれを打ち破った印象深いものとなった。
【7】
『BIRTH OF DOMMUNIST(ドミュニストの誕生)』
ジャズ・ドミュニスターズ
JAZZDOMMUNISTERS 「XXL feat MARIA,ICI」~1st Album ...
《ジャズ・ドミュニスターズ》はジャズメン《菊地成孔》さんと《大谷能生》さんによるジャジーヒップホップユニット。
この盤がデビュー作となる。
ヒップホップのアルバムらしく、フィーチャリングで《SIMI LAB》のクルーなどがトラックを幾つか跨いでマイクリレーしているので忙しく華やか。
この新人ラッパーお二人、美声でフロウのリズム感素晴らしく、リリックも知性ある神聖な冗談的で総てが揃っている。
ビートで時間を詰めてゆくのみならず、ポエトリーリーディングでの原義としての詩そのものなパートも重要なウェイトを占めている。
これは余技で作られた珍盤では絶対に無い。
購入する場合は、店頭やAmazonなどの通販などでは流通しておらず、下記の公式ページからの販売のみとなっているので、興味のある方や詳細を知りたい方は是非アクセスを。
http://apollo2013.shop-pro.jp/?pid=64778801
【8】
『LEVEL3』
パフューム
特に説明が不要そうだけど……。
説明のしようが無さ過ぎてツラい。
先行シングル曲の華やかな新アレンジは毎回楽しみで。
【9】
『ATAK019 Soundtrack for Children who won't die, Shusaku Arakawa』

ATAK019 Soundtrack for Children who won't die, Shusaku Arakawa
- アーティスト: Keiichiro Shibuya
- 出版社/メーカー: ATAK
- 発売日: 2013/10/30
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
ATAK019 Soundtrack for Children who won't die ...
映画『死なない子供、荒川修作』へのサウンドトラック的な位置づけというだけに留まらず、《渋谷慶一郎》さんの独立したフルアルバムでもある。
このアルバムの詳細をレコメンドするには渋谷さんの過去作品を遡行し再照射しつつ紹介しなければならない。
“渋谷慶一郎史”なるサウンドテクスチャーの変遷、流れを立体的に前もって追った上で聴くのが一番望ましいかも。
私も渋谷さんの総ての音源や活動を追っているわけでは無いので知った口は出せないが……。
ピアノ/電子音楽、どちらの領域でも意欲的に他者がアクセスしていないアプローチを試みて実践した歴史を知ることでより大きな感動に接続されるはず。
ピアノと電子音楽がこのタイミング(『ATAK019』)で接近し、同じ時間軸上を微塵も反発し合わず、対消滅させず、緊張感とメロウさを保って流れる風景。
要素複合でまた新しい立体視で感得出来るという意味では“【6】”で紹介した《ティム・ヘッカー》の新譜にも通じるところが有るかも知れない。
【10】
『ATAK020 THE END』
【渋谷慶一郎・初音ミク】 オペラ 「THE END」 【VOCALOID OPERA】 - YouTube
ボーカロイドオペラ『THE END』の音楽を改めてCDとしてパッケージした本作。
直前の“【9】”で渋谷さんのピアノと電子音楽の運命的な近接について書いたが、こちらの作品では更にそれらに初音ミクのボーカルや、エレガントなストリングスも多層的に一気に加わったものとなっている……!
同年(2013年) に立て続けに自身の活動のアップデート、跳躍をリスナーに提示する意欲たるや。
聴く側が追い付かない(だがそれが楽しいし追いかけたくなる)。
仕組まれたギミックや真の意図を分析・理解出来るのはいつになるやら。
今年のベストというか、ここ数年で一番重要な作品と位置付けても良いかも。
数百行に亘ってこの作品については語りたいもの。
精緻に螺旋を描いて時間上をエレガントに進んでゆくストリングス。
それを追走するノイズとのデュオ。
更に複合するボーカロイド。
渋谷さんのこれまでのキャリアの総てが詰められた傑作。
……そう、今年はこういったラインナップで。
《ギャスパー・クラウス》
《ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー》
《池田亮司》
《ティム・ヘッカー》
《ジャズ・ドミュニスターズ》
《パフューム》
《渋谷慶一郎》×2
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。
冷えた電子音楽と、可愛いポップスが鳴るだけの領域へ。