今回は音楽のレコメンドを。
珍しく新譜をややタイムリーに。
『まともがわからない』

- アーティスト: 坂本慎太郎
- 出版社/メーカー: zelone records
- 発売日: 2013/01/11
- メディア: CD
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アートワークのイラストも坂本さんが引き続きデザインされているのは変わらず。
このイラストがあってこそ、なる音との一体感。
前作『幻とのつきあい方』から、よりダンサブルにビートの主導が行われていると個人的には印象があった。
ソウル・ミュージック的な暖かみは変わらず。
そう、ひたすら暖かいアーバン・ソウル。
ファルセットを効かせて歌い上げられた時のカタルシス。
収録曲3トラック総てに通底する、メメント・モリなリリックとの温度の混じり合いも美しい。
生を愛でたくなる音楽的快楽性と、死を同時に考えてしまう文学的緊張。
歌っている本人は、しかしそこまで聴取者に迫るような態度ではなく、非常に距離があるような不思議な関係性のまま進行して行く。
歌詞がどうこう的な言及はあまりしたくはないのだが、この言葉の重力抜きでは彼の音楽は語れないと思う。
快楽も緊張も生ある期間だけ、と、死者より。
……ということで、収録曲の“死者より”を試聴していただけたら。
パーカッションの張りが美しい。